自らを変える(マインドセット)

独立自尊を達成しするために、知っておいてほしい生理学、心理学の知識があります。

人は通常、何らかの刺激を受けると「即座」に反応します。例えば、何か冷たいものに触れた時に無意識のうちに手を引っ込めたり、簡単な計算(1+1など)を反射的に答えたり、相手の表情から感情を「直感」として読み取ったりします。また何らかの恐怖を感じた時に、即座に反撃するか、逃げるかを決定します。この反応をここでは「システム1」と呼びましょう。

このシステム1は一見すると、当然の反応で何の疑問も持たない人がほとんどだと思います。しかし、よく考えてみると人にはもう一つの「ゆっくり」とした反応の仕方があります。例えば暗算ではできないような計算(258X756など)を解いたり、情報を収集し理解した上で分析し決断したり、直感ではなく「考えて」から反応します。場合によってはいくつかの選択肢を考えてから反応を選択します。これを「システム2」と呼びましょう。

このように人には直感的に判断する「システム1」とゆっくり判断する「システム2」の2種類の判断の仕方があります。

多くの人が、外部の影響により自分の感情、立場が依存してしまうと考えてしまうと思います。例えば今日は上司に叱られたから気分が悪くなり仕事が手につかない。外の車の音がうるさいから集中できない。天気が悪いから気分がすぐれないなど。これは「システム1」の直感で反応している状態です。しかし「システム2」のゆっくりとした思考を使えば、受けた刺激に対してどのように反応するかは自由に選択できる、別の言い方をすると刺激と反応の間には「スペース」があると言えます。例えば叱った上司はあなたがもっと仕事ができる能力があるから、ミスを指摘し改善できるようにアドバイスをくれたのかもしれません。外の車の音や天気はは自分ではコントロールできないことなので、考えてもしかたがないことなので、考えることをやめて気持ちを切り替えて、もっと自分の目標を達成するために考えるべきことに集中することもできます。このように「刺激」と「反応」の間にはスペースがあり、選択できる。一見自分にとって悪いと思われることも、意識(マインドセット)を変えれば、自分にとって積極的に活用できることを理解すると、主体性を発揮し「自ら変えられる」ことに気づくと思います。