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マネジメント塾、研修、コンサルティングを事業とするインサイトマネジメント株式会社 代表取締役。常によりよいマネジメントを探究しています。

COP 28 国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議の課題(原発で脱炭素)

先週末からのニュース(2023年12月現在)で、アラブ首長国連邦で行われている気候変動に関する国際会議 COP28での日本の発言、動向に関して要約します。

1.COP28とは

1994年に発効された気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)に基づき、条約締結国で毎年開催される会議で今年で28回目になります。

目標:2020年以降も世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2度より低く、1.5度に抑えるよう努力する。(明確な期限は切られていないようです。)

2. 今年(COP28)の動向

今年は11月30日から12月12日まで開催します。すでに合意されたと報道されている枠組みをは以下のとおりです。(2023年12/3現在)

COP28 米政府 世界の原発の発電容量3倍へ宣言 日本など賛同 

NHKの報道昨日の報道によるとCOP28に合わせて、アメリカが2050年までに世界の原子力発電所の発電容量を3倍に増やすことを目指すとする宣言を発表し、日本を含む20か国以上が賛同。(NHK News Web)
この報道内容の事実をアメリカ政府エネルギー省のWebサイトで確認できました。(At COP28, Countries Launch Declaration to Triple Nuclear Energy Capacity by 2050, Recognizing the Key Role of Nuclear Energy in Reaching Net Zero

こちらの原文によると、この宣言に賛同した国々は以下のとおりです。
米国、日本、ブルガリア、カナダ、チェコ、フィンランド、フランス,ガーナ、ハンガリー、韓国、モルドバ、モンゴル、モロッコ、オランダ、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スウェーデン、ウクライナ、アラブ首長国連邦、英国

既に原発の保有国のうち、北欧、東欧が多い。 (非保有国:ガーナ、モルドバ、モンゴル、モロッコ、アラブ首長国連邦)

上記の報道の一方で以下の報道もありました。

COP28“再生可能エネルギーの発電容量3倍へ 110か国以上合意

こちらの内容も確認したところ、EU(ヨーロッパ連合)のホームページで、EU主導により宣言がおこなわれ、日本を含む118カ国が賛同したようです。

EU leads global initiative at COP28 to triple renewable energy capacity and double energy efficiency measures by 2030

しかし、本日のNHKの「日曜討論」にて、「日本は再生エネルギーの容量は増やすが3倍は目指さず、原発の容量増加との両輪で脱炭素を目指す」との発言が経済産業大臣、環境大臣よりありました。(経産相“脱炭素社会へ新たな政府目標検討始めたい” 日曜討論)

全体を俯瞰することの重要性

持続可能な開発目標が17項目あるように、将来を考える際には全体を俯瞰することの重要性を改めて気づかされました。私たちは今まで課題を細分化して取り組むことが効率的であると考え、組織を作り取り組む対応してきました。今回も課題の1つである気候変動のみを取り上げ、さらにその原因を炭素であると位置づけ大気中の二酸化炭素の削減を目指す。そして発電時に二酸化炭素の排出との理由で原子力発電を増加するという、一見正しい論理展開になっています。

しかし、持続可能な開発とは「次世代のため」です。

そう考えると継続的は核廃棄物を排出が必要であり、その処理をする場所も決まっていない原子力発電を増加させることが次世代のためになるのか、それとも負担になるのかを考える必要があります。

以前の記事で書きましたが、政府の公開資料によると、原発稼働に伴う、放射能廃棄物は数万年から10万年という今までの人類の歴史の長さに相当する期間の保管を将来世代に委ねることになります。(記事 原発事故から10年

問題のすり替え(炭素が悪い?)

気候変動対策を単純化し脱炭素、カーボンニュートラルなどと考える傾向にありますが、気候変動の根本原因は本当に炭素が問題なのでしょうか。
以前の記事:「限界を超えると起こる未来」で示したように産業革命以降に温暖化ガスが蓄積を含む公害の原因は、化石燃料を中心とした鉱物資源を大量に使い生産、消費し続ける経済構造にあります。

システムとして考える

このような複雑は問題に取り組む際に、皆がシステム思考を活用することができれば、今までとは違った解決策、未来を築くことができると思います。また、考えるだけでなく、原子力を選択肢にする必要がなくなるような別の解決方法を提示し、実現できるようにして行きましょう。