ビジネススクール(経営大学院)では、マネジメントを疑似体験するために多くの企業事例を使い戦略、マーケティング、財務、会計、組織など様々なテーマで論理的に、時に創造力を使い、分析する「知識」を学びます。
ビジネスの現場ではどうでしょうか。もちろん上記のようなテーマで日々意思決定することも必要になりますが、これらの知識をは「経験」を通じても学ぶことができます。
では、実際の組織の動かして行くマネジメントにおいて、知識を習得する前に必要な「資質」とはなんでしょうか。
私は経験から「知識・論理だけでは人動かない。」ことを多くの場面で学びました。
マネージャーの資質、それは「誠実さ」です。「誠実さ」がなければ、顧客、従業員、ビジネスパートナーからの「信頼・信用」を得ることができず、事業を継続することは困難です。実際の経営において誠実さに基づく信頼により難局に直面しても助けられることもありました。
日本の資本主義の父と呼ばれ、約500社の企業設立に関わり、600の非営利団体の設立に関わった渋澤栄一も「信用は実に資本であって商売繁盛の根底である。」とおっしゃっています。
また、経営学者でマネジメントの発明者と呼ばれるピーター・ドラッカーは、マネジャーの資質として「学ぶことができない、後天的に獲得することができない、そして初めから身に付けておかなければならない資質が1つだけある。才能ではない、真摯さである。」と述べています。
これは組織の経営のみならず、家族、個人のマネジメントにおいても原則です。常に「誠実さ」基本とした「セルフマネジメント」を実践し、自分に対して、家族から、そして組織から、社会からも信頼・信用が得られるよう心がけましょう。
(Photo by “nature” by barnyz)