先日SDGsの基礎講座をさせていただきました。達成目標とする2030年まで10年、国連も「行動の10年」と位置付けています。
SDGsの6段階
受講された方から、重要な質問をいただきました。
「SDGsウォッシュにならないためにどうしたらよいか。」
SDGsウォッシュとは、グリーンウォッシュから派生した言葉で、実際には環境の改善に繋がっていないのに、そのように見せることです。これは意図的にそうする場合と意図せずそうなってしまっている2通りあります。
そこで、SDGsへ取り組みを6段階に分けて考えてみましょう。
上の図のようにSDGsを知らないゼロの段階から、実際に地域(コミュニティ)単位で実行する6段階に分けました。まずは知らない状態から第一段階の「知っている」状態に多くの人になる必要があります。発効から5年が経過し、朝日新聞の2020年2月の調査によると32.9%の人が「聞いたことがある。」と回答しています。第二段階として、自社あるいは自分の日々の活動に当てははめて、ある程度環境、社会に配慮していると感じる段階です。この状態で満足してしまい、外部に対して「自社は社会・環境に配慮している。」とアピールすると、いわゆる「グリーンウォッシュ」「SDGsウォッシュ」と呼ばれてしまうかもしれません。なぜなら、SDGsのそれぞれの目標の達成のためには、現状のやり方、ビジネスでは達成できない「変革的な」取り組みが求められる高い目標だからです。また大阪市立大学の斎藤教授は、この状態で満足してしまうことを「SDGsはアヘンだ。」と私たちに警告しています。
よって、第三段階の現状の取り組みとは異なるより効果のある方法を誰にも頼らず自ら小規模に試す段階に移行して初めてSDGsへの行動をしていると言えます。小規模ないろいろな取り組みをしながら、「抜本的な取り組み」を見出す段階が第四段階です。この段階で活動する人、組織が複数現れ、第五段階でグループで第六段階で地域で取り組むようになって、効果が見える状態になります。2030年までに達成するためにはこの第六段階にできるだけ早期に移行する必要があります。
長い道のりになりますが、今回のSDGs講座受講後に積極的に取り組むと表明いただいた方々と私も改めて「小さく早く、じっくり大きく」実行して内村鑑三氏の後世への最大遺物に習い、私たちを育んでいただいた地球を私たちが生まれる前よりも良い状態で後世に渡したいと思います。
あと10年、楽しみながら変って行きましょう。