持続可能な開発(社会)の実践体系の1つとして、「アグロフォレストリー」があります。
アグロフォレストリーとは、樹木(高木と低木)の間で農業や畜産を行う、環境配慮型の農業と林業統合経営システムの総称です。
通常、農地を造成する際には、森や雑木林をブルドーザーなどの重機で樹木を切り倒し、伐根し、整地します。しかし、そうすることで、森林が減少し、森林の樹木が担っていた、土中の水を貯蔵、土壌の流失防止機能、また酸素の産出、炭素の固定機能も失われ、環境面で大きな損失となります。
そこで、これらの森林の多面的な環境機能を維持しながら、林業、果樹栽培、農業、畜産も「共生」しながら行うことを目的とします。
アグロフォレストリーには、主に3パターンがあります。
1)畑作と林業の統合型( Agrisilvicultural)
この型にフォレスト・ガーデン、フードフォレストと呼ばれる樹木、果樹、畑作を統合した手法が含まれます。
2)畜産と林業の統合型(Silvopastoral)
畜産としては、牛、ヤギ、鶏、アヒルなど異なる家畜、家禽の組み合わせがあります。
3)畑作・畜産・林業の統合型(Agrisilvopastoral)
上の1),2)を統合したもので、高い技術、経験が求められます。
世界中で対象地域の気候、植生に合わせ様々な規模での取り組みが始められています。
参考資料:
Agroforestry system, United Nation University
Agroforestry, Food and Agriculture Organization